READYFOR? 達成御礼「大船渡津波伝承館応援ライブvol.5&座談会」

こんにちは、津波伝承館サポートスタッフの鈴木光です。

8月10日(土)に、READYFOR?達成御礼と伝承館テーマソング発売記念となる「大船渡津波伝承館応援ライブvol.5&座談会」(横浜吉田町)が開催されました。

当日は、高温注意報がでるほどの猛暑の中、まわりは歩行者天国のビアガーデン。そんな雰囲気の中、十六夜スタジオでのライブと座談会でした。今回はそのレポートです。

第1部のライブでは2組に素敵な演奏をして頂きました。
1組目は「横濱サクソフォニスト」。応援ライブvol.1からvol.5まで全てに参加し、応援ライブのホストバンド的存在。一昨年には初のツアーを東北で決行し、常に伝承館を音楽の力で応援してくれています。今回もスタンダードジャズを中心に5曲を披露し、会場を盛り上げてくれました。

 

2組目は、今回伝承館のテーマソング『未来へ』を創ってくれた「Arearea」。結成15年目のボーカルRINOとピアノYUKIのユニット。オリジナ ルソングや「翼をください」などでは会場も手拍子と共に一緒に歌うシーンも。そして、最後の『未来へ』は、齊藤館長撮影の震災前後の大船渡の写真を、伝承館サポートスタッフの一員である福島さんの編集による映像と共に歌われました。伝承館のポリシー「あなたに助かってほしいから」を未来へ伝えたいという思 いを感じるとてもよい曲です。皆さんも映像とともに聴き入っていました。

 

その後、第2部に入る前にREADYFOR?達成の御礼と「語り部育成」計画について、東京と大船渡を行き来しつつ、齊藤館長や伝承館の諸々をサポートしている森川さんをお迎えし、鈴木からお話をお伺いしました。

森 川さんからは、語り部を育成する以前に、語り部候補の方を集めることに苦戦している現状、それでも、伝承館のポリシーに共感し、一緒に活動をしてくれそう な方がいること、まだ2年5ヶ月という月日の中で、被災体験を語るということが多くの方にはつらいことであることなどをお聞きしました。

お話を伺う中で、このような大船渡の方の気持ちを無視することなく大事にしながら、ゆっくりと、この「語り部育成」を続け、大船渡津波伝承館を通じて、未来に繋げることができたらと感じました。

「大船渡津波伝承館応援ライブVol.5&座談会」の第2部座談会では、大船渡出身で関東に住んでいらっしゃる方々をお迎えしました。

座談会をリードして下さったのは、俳優(花組芝居)の横道毅さん。そして、その横道さんのお友達で会場に来て下さっていた、赤坂さん、三浦さん、志田さんにあの時の大船渡、今の大船渡や東京での思うことをお話をして頂きました。

・あの日、東京からタクシーに載って「行けるところまでいってけろ」といって、乗せてくれたタクシーの運転手さん。
・近づくにつれ、見慣れた街が変わってしまったのをみて、ただただ涙が出た。
・今の大船渡(東北)では、前に向かっている人もいるけど、まだ前に向かえない人もいる。泣いて泣いて泣かないと前に向かえない人もいる。
・仕事でいった東京のマンションの冷房の効いたロビーで、「節電しましょう」という震災直後の張り紙が貼ったままになったのをみた時、「風化」していると改めて感じた。
・自分達は、「東北」と「福島」という被災地を2つ抱えてしまった気持ち。
・風化を止めるには、発信し続けること。

 もっ ともっと書きたいことはあるのですが、あの時のこと、今感じられていることを直接お聴きできるとても大事な時間でした。今回お話してくださった方の中に は、ご自身のご家族を亡くされた方もいらっしゃいます。まだまだつらい時間の中で、横浜で話してくださったことに心から御礼を申し上げます。お話頂いた皆様、本当にありがとうございました。

横道さんからこのRF投稿のために頂いたメッセージをご紹介します。

 

過去二回の座談会を経験して、「風化を少しでも食い止める」ためには「絶えず発信し続けなければならない」ことをあらためて強く感じています。このおおよそ二年半の間に日本、あるいは世界で、東日本大震災以外の自然災害が何度も起こっています。

 

頼りは地元の人、地元出身者・関係者なのです。僕はたまたま大船渡出身ですので、自分の生まれ育った街のことを2011年の3月11日にそこに何が起きたかをこれからもずっとずっと言い続けていきます。

 

皆さんも、それぞれ皆さんの大切な場所のことを地震のことを津波のことをこれからも言い続けてください。「僕と皆さんの大切な人達に助かって欲しいから・・・」と願いを込めて。

この時間を共有したそれぞれの方が東北へ思いを馳せ、「自分には何ができるかな」と少しでも考えて頂けたならば、座談会を開いてよかったと思います。酷暑の中、ご来場頂いたみなさま、ありがとうございました。聴いて頂く方がいてこその時間でした。

大船渡津波伝承館サポートスタッフ
鈴木光