頌栄女子学院で出張伝承館が開催されました④

 2月9日、頌栄女子学院で出張伝承館が開催されました。参加した高校生たちは、4 つのテーマにつき議論を行いましたので、ここで一部をご紹介します。

 

「シュミレーション①もしも駅や電車内で地震にあったら」

 私たちは、電車内、および駅で地震が起きたらということについてシミュレーションしました。

学校の近くのA駅について、標高を確認し、周辺地図で河川の有無、また津波が河川をさかのぼる場合の経路について話し合いました。A駅は地下鉄の駅ですが、地中深くにあり、利用者数に対して改札や出口の数が少なく、また道も狭いため、避難には難しいことがわかりました。また、構内図によれば、普段は気にかけたこともない非常口があることがわかりました。

 次に、学校近くのターミナル駅である渋谷について議論しました。渋谷は「谷」がつく名前の通り水地であり、さらに河川も存在するため、大地震の場合には津波のリスクがあることに気づきました。

最後に、電車内で地震に遭った場合についても考えました。私は、東日本大震災の時に、電車内で地震にあいました。その経験もふまえて、持ち物や、とるべき行動について考えました。

 

「シュミレーション②もしも東京湾近くで地震にあったら」

 私たちは、もしも東京湾近くにいたとき、大地震にあったらどう行動するのかについて話し合いました。

まず、考えられるのは津波です。津波が起きたときの身の守り方は、何よりも「高い場所に避難する」ことです。陸前高田や大船渡のような地形では、海の近くにある高台に避難することで津波から身を守ることができます。

東京ではどうでしょう。東京の地形は、湾岸部から埼玉県・千葉県にかけて、なだらかな平野が首都圏全体に広がっています。陸前高田や大船渡と異なり、高台がみあたりません。ただ、高台のかわりに、免震性の高層ビルに逃げるといいのでは結論になりました。実際に、津波からの避難場所として地震に強い高層ビルを指定する市町村が年々増加しているそうです。

今回の企画に参加した皆さんが、大地震に遭遇したときに自分の身を守れるように、今回の企画で学んだことを活用していただけたら幸いです。

 

「シュミレーション③もしも繁華街で地震にあったら」

 私たちは、もしも繁華街にいたとき、大地震にあったらどう行動するのかにつき、普段行く機会が多い、新宿・渋谷エリアを中心に話し合いました。

新宿は、東京都内では高台に位置します。大地震に遭遇しても、津波の心配はないので、主な被害としては、「ビルの倒壊」「ガラスの落下」「パニックになった歩行者が将棋倒しになる」「駅が混雑する」ことが考えられます。この場合とるべき行動としては、「車道に出ない」「免震性のビルに避難する」「鞄で頭・首を守る」「人ごみに巻き込まれない」ことが挙げられました。

渋谷は、渋谷川が通る谷型の地形です。主な被害としては、新宿の被害に加えて「川の氾濫」「区外からの帰宅何人向け避難所の不足」が考えられます。この場合とるべき行動としては、おおむね新宿のケースと共通していますが、高層ビルが開放される可能性が高いため、ビルの高い階に避難することが強調されました。

 

「シュミレーション④もしも学校で地震にあったら」

学校ににいた時に津波が来たらどの方向に逃げるかについて話しました。地図を見ながら、学校と海岸の距離は2キロ程度と、意外と距離が近いことに多くの方がが驚いていました。また、意外と近くに河川があり、津波がさかのぼってくる可能性があるを初めて知りました。

地震が来た時のことを想定していた人でも、津波が来た時のことを想定していた人はほとんどいませんでした。それは、「普段海が見えない」からではないでしょうか。お台場など海が見える場所は、津波がくるかもしれないという危機感を持ちやすいのですが、ビルが多い地域では海が見えないから、津波に思いが回らない人も少なくないと思います。けれども、私たちが普段使っている駅のように、海が見えなくても、海や川から近い土地もあるのです。今回のシミュレーションで、そのことを知り、普段行く場所と海や河川との距離、標高がどれくらいなのかについて気に留める機会となることを願っています。